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Case study

大津市・雨樋交換工事
― 軒樋 半丸120・縦樋φ75で一新

普段あまり目が向かない雨樋ですが、屋根に落ちた雨をまとめて地面へ逃がす、建物を守る要の部分です。経年で傷んだ軒樋・縦樋を全面交換した工事を、施工前後の写真とともにご紹介します。

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Overview

工事の概要

工事内容雨樋交換
(塩ビ製 軒樋・縦樋の全面取替)
建物瓦屋根・板張りの和風住宅
(二段屋根)
使用材料パナソニック 軒樋 半丸120
縦樋 φ75/一部 前高130WIDE
施工時期・エリア2026年
滋賀県大津市

3行でわかる、この工事

  • 症状/塩ビの雨樋が経年で硬くもろくなり、縦樋の足元は地面に水を落とすだけの状態でした。
  • 診断/面ごとに受ける雨の量を確認。雨が集まる一面だけ、断面の大きい樋を選びました。
  • 施工/鬼瓦や軒先の見え方を確かめながら交換。縦樋は地中の排水口まで確実につなぎました。

Symptomご相談のきっかけ ― 傷みは、静かに進みます

大津市内の、瓦屋根に板張りの和風住宅です。長年使われてきた塩ビ(塩化ビニル)製の雨樋に、経年の傷みが出ていました。

塩ビは軽く扱いやすい材料ですが、紫外線と寒暖差にさらされ続けると、色が褪せ、硬くもろくなっていきます。今回は縦樋の足元で管の先が傷み、地面に水を落とすだけの状態になっていました。

雨樋は、雨漏りのように天井にシミが出るわけではないため、傷んでいても気づかれにくい部分です。放っておくと、少しずつこうなります。

  • 樋が受けるはずの雨水が、軒先からそのまま落ちる
  • 落ちた水が外壁を伝い、傷みや汚れの筋になる
  • 建物のきわに水が集中し、基礎まわりの地面がえぐれる
  • 樋のたわみが、軒先のラインの乱れとして外観に出る

雨樋は建物を傷ませないための部品です。「まだ雨漏りしていないから大丈夫」とは考えないほうが確実です。

Diagnosis診断 ― なぜ、一面だけ樋を変えたのか

雨樋の交換は「今と同じものを付け替えるだけ」に見えますが、私たちはまずそれぞれの面が、どれだけの雨を受け持っているかを確認します。

屋根は面ごとに大きさも勾配も違います。上の屋根から下の屋根へ雨が流れ込む造りなら、下の樋には二枚分の雨が集まります。受ける水の量が違えば、必要な樋の太さも変わるという考え方です。

今回の選定は、次のとおりです。

  • 軒樋:パナソニック「半丸120」/半円形の断面をもつ呼び幅120mmの軒樋。和風の軒先になじむ素直な形で、建物全体の基本としました
  • 縦樋:φ75(直径75mm)/軒樋が集めた水を、詰まりにくく地面まで下ろせる径です
  • 一面のみ:前高130WIDEタイプ/雨水がとくに集まる面には、前側が高く断面の大きい「前高(まえだか)」を採用。強い雨で樋から水があふれるのを防ぎます

材料は、これまでと同じ塩ビ製です。軽くて建物に負担をかけず、和風の軒先にも落ち着いてなじみます。同じ材料でも、断面の選び方と納め方を見直せば、雨の流れは確実に良くなります。

すべての面を大きい樋で揃えれば安心、というものではありません。必要な面にだけ能力の高いものを使う。それが見た目にも費用にも無理のない形になります。

Work施工 ― 意匠を損なわない納まりをつくる

この建物には、鬼瓦(おにがわら)をはじめとした和風建築ならではの意匠があります。樋は建物の外周をぐるりと回る部材ですから、納め方ひとつで建物の表情が変わってしまいます。

そこで既存の樋を撤去したうえで、軒先のライン・鬼瓦との取り合い・妻側(つまがわ/屋根の三角に見える面)の見え方を、その都度確認しながら取り付けていきました。

縦樋も新品に交換し、地上の排水口へつながる部分まで、継ぎ手をしっかり接続しています。ここが雑だと、せっかく集めた水が建物のきわで漏れてしまいます。

Result結果 ― 屋根から地面まで、水の道がつながりました

軒先まわりはすっきりと整い、落ち着いた色味の樋が、板張りと瓦の趣によくなじんでいます。鬼瓦の脇を通る部分も、意匠を邪魔しない納まりに収まりました。

機能の面でいちばん大きいのは、縦樋の足元です。地中の排水口まで確実につないだことで、屋根で受けた雨が、建物のきわを濡らさずに流れていくようになりました。

雨量の集まる面に前高130WIDEを入れたことで、強い雨のときの余裕も生まれています。ふだんは意識されない部分ですが、そこが確実に働くことが、建物を長持ちさせます。

ご協力いただいたお客様、ありがとうございました。

Before / After

施工前・施工後

同じアングルで撮影した、工事前と工事後の比較です。写真をクリックすると拡大表示します。

① 二階の軒先と妻壁まわり

板張りの妻壁ぎわを通る軒樋と、そこから斜めに下ろす縦樋を交換しました。屋根の段ごとに樋がまわる、和風建築らしい取り回しです。

施工前
交換前の二階軒先。板張りの妻壁に沿って古い軒樋と縦樋が取り付けられている
施工後
交換後の二階軒先。新しい半丸120の軒樋と縦樋に取り替えられた状態

② 妻側(つまがわ)から見た様子

屋根の三角に見える面からの比較です。二段になった屋根それぞれに軒樋がまわり、鬼瓦まわりの意匠も損なうことなく仕上がりました。

施工前
交換前の妻側。二段の屋根それぞれに古い軒樋がまわっている
施工後
交換後の妻側。二段の屋根それぞれに新しい軒樋がまわり、鬼瓦まわりも整った状態

③ 反対側から見た様子

別の面からの比較です。妻壁を斜めに下る縦樋も新しくなり、軒先まわりがすっきりと整いました。

施工前
交換前の反対側。妻壁を斜めに下る古い縦樋が見える
施工後
交換後の反対側。新しい縦樋に取り替えられ軒先まわりが整った状態

④ 軒先と鬼瓦まわり

鬼瓦と組み合わさった、和風建築ならではの納まりです。軒樋は鬼瓦のすぐ脇を通るため、この意匠を損なわないよう取り回しに気を配りました。

施工前
交換前の軒先。鬼瓦のすぐ脇を古い軒樋が通っている
施工後
交換後の軒先。鬼瓦の意匠を損なわないよう新しい軒樋を納めた状態

⑤ 縦樋の地上部分

縦樋の足元です。以前は管の先から地面に落とすだけの状態でしたが、地中の排水口へ確実につながるよう、継ぎ手を入れて接続し直しました。ここが納まっていないと、せっかく集めた雨水が建物のきわに落ちてしまいます。

施工前
交換前の縦樋の足元。管の先が傷み、排水口につながらず地面に落とすだけの状態
施工後
交換後の縦樋の足元。φ75の縦樋が継ぎ手を介して地中の排水口へ接続された状態
掲載写真は、お客様の同意をいただいたうえで公開しています。
About gutters

雨樋で、こんなことがあれば

下のような様子が見られたら、一度ご覧になることをおすすめします。雨樋だけの部分修理で済むことも少なくありません。

  • 雨の日に、軒先から滝のように水が落ちている
  • 樋の途中から水があふれている/横に吹き出している
  • 軒先のラインがたわんで見える、樋が外れかけている
  • 樋に落ち葉や土がたまり、草が生えている
  • 縦樋の下の地面が、雨だれでえぐれている

高所の作業になりますので、ご自身で確認しようとして脚立に上るのは危険です。現地調査・お見積りは無料ですので、まずはお気軽にお声がけください。お問い合わせフォームからは、お手持ちの写真を送っていただくこともできます。

屋根・外壁・雨漏りのこと、まずはご相談ください。

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